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ハロ酢酸

◆概要
 ハロ酢酸とは、水中の有機物が浄水処理過程における塩素消毒によって生成する、消毒副生成物の一つです。現在、水道水質基準項目にクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸の3種類が定められています。
 ハロ酢酸の生成は、とくに温度の高い夏や有機物濃度が高くなった場合に高いことが知られています。
 ハロ酢酸は、「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」において毎年6月1日から9月30日の間に1回検査することとされています。
 
◆測定方法
 「水質基準に関する省令の規定に基づき厚生労働省が定める方法(平成15年厚生労働省告示第261号)」では、以下の方法が定められています。
・溶媒抽出ー誘導体化ーガスクロマトグラフー質量分析計による一斉分析
・液体クロマトグラフー質量分析計による一斉分析
 
◆健康影響
 クロロ酢酸については、発がん性を示す証拠は今のところありません。しかし、ジクロロ酢酸およびトリクロロ酢酸については、人に対して発がん性を示す可能性があるとされています。
 トリクロロ酢酸は目、皮膚および粘膜に対して、腐食性かつ刺激性があります。
 
◆浄水方法
 前駆物質となる有機物は、通常の浄水方法(凝集沈殿+ろ過)により除去することが出来ます。また、ハロ酢酸は活性炭により除去することが出来ます。
 




こらぼ2023年秋号より抜粋
CRC食品環境衛生研究所