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CEA値が施設間で異なります。乖離の原因は何ですか?

 CEA(Carcinoembryonic antigen、癌胎児性抗原)は、各種がんの確定診断における極めて重要な補助検査および治療後の経過観察における重要な指標として現在最も利用されている腫瘍マーカーです。

 ただし、癌細胞以外の正常細胞でも産生され、肝臓と腎臓で代謝されるため、肝炎・肝硬変、膵炎、糖尿病、肺疾患、腎不全などの良性疾患でも血中濃度が上昇すること、さらに健常者においても加齢や喫煙により軽度上昇することはよく知られています。

→「腫瘍マーカーのCEAが高値に出ました。癌(がん)以外でも高くなりますか?」参照

 したがって、CEA測定値は良性疾患や基礎疾患がある状態では偽陽性を示すことがあり、どの測定試薬で測った場合でも健常者の偽陽性率が5%内外あると報告されています。

 CEAにはCEAと構造が一部類似あるいは一致する物質(関連抗原)が30個ほど報告され、CEAファミリーと呼ばれます。その多くは正常組織中に存在します。CEA測定試薬で使用されている抗体にはCEAファミリーとの交差反応性に違いがあり、測定試薬間でCEAの測定値が乖離することがあります。経過観察で複数の施設でデータを比較する際は注意が必要です。

表.CEAとCEAファミリー
抗原 局在組織
CEA 各種腫瘍組織

CEA相当成分
 NFA-2
 NCA-2

 
成人糞便
胎便

部分交叉抗原
 NFA-1
 NFCA
 NCAs
 BGP-I
 PSβGs

 
成人糞便
成人糞便
肺、脾臓、単球、好中球
胆汁
胎盤、妊婦血清、好中球

※CEAファミリーのうち、NCA-2に高い反応性を示す測定試薬と反応しない測定試薬があります。

【参考】
・衣笠哲史、他;日本臨床63(8)、2005
・黒木政秀;検査と技術23(11)、1995