胃は食べ物を消化するために強酸性の胃液を出していて酸度はpH1〜2です。ピロリ菌の活動に最適なのはpH6〜7(弱酸性〜中性)で、pH4以下になるとピロリ菌は生きられません。ではなぜピロリ菌は胃の中で生きられるのでしょうか?
秘密はピロリ菌のもつ『ウレアーゼ』という酵素にありました。この酵素の働きで胃の中の尿素という物質からアルカリ性のアンモニアを作り出しますがこのアンモニアが胃酸を中和してピロリ菌は自分の周りに中性に近い環境を作り出すことができるので、強酸性の胃の中でも生きられるのです。ピロリ菌はべん毛をスクリューのように1秒間に100回くらい回転させて、らせん状の本体を回転させて移動します。スクリューを逆回転すればバックもできます。その移動速度は毎秒、菌体の10倍ほどで人間に例えると100mを5.5秒で泳ぐくらいになります。
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