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  大気汚染    
 

 具体的に大気汚染とは、大気中の微粒子や気体成分が増加して人体や環境に悪影響をもたらすことをいい、工場の排煙や自動車の排気ガスなど、人間の経済的・社会的活動が原因とされます。砂嵐や山火事などで大気汚染が自然発生することもありますが、自然由来のものは大気汚染に含まない場合もあります。

 大気汚染についての歴史は古く、古代ローマの文献によると、西暦61年には都市部での煙や悪臭などについて嘆いたという記述がありました。また、14世紀のイギリスでは、すでに大気汚染の人体への影響が問題になっていました。これは、産業革命による工業発展に伴う石炭使用の増加と家庭用暖房器具の燃料使用によるもので、大気汚染はますます深刻化しました。そのため、1306年には、職人が炉で石炭を炊くことを禁止したほどでした。

 わが国の大気汚染の歴史は、「公害」という言葉さえ定着していなかった明治政府の殖産興業政策時代に遡ります。第二次世界大戦後、他国に類のない経済発展を遂げたわが国は、さらに深刻な環境汚染を経験することとなり、大きな社会問題となっていきました。
 
環境基準
 大気汚染が問題視されるようになる中、先進国では1950〜1970年代にかけて大気汚染物質の環境基準が設定され、世界保健機関(WHO)が1987年にヨーロッパで27種類の物質に対する基準を定めた「ヨーロッパ空気質指針」を策定し、これを全世界に拡張した「空気質指針」が1999年に発表されました。
 
 わが国では公害対策基本法(1967年制定)をはじめとする環境法が整備され、公害の克服に相当な成果を上げました。
近年では都市・生活型公害や地球環境問題などの新たな環境問題が顕在化してきたことから、1993年には、地球環境時代にふさわしい新しい枠組みとして環境基本法が制定され、これに基づき、政府が一体となって施策を講じるための環境基本計画が策定されました。
 
福岡市の大気状況
 福岡市では、窒素酸化物や硫黄酸化物、PM2.5など16の項目を市役所や香椎、大橋など最大16箇所で24時間測定を行っており、その数値が毎日ホームページ上で発表されています。とくに最近は春が近づいてくると、大陸からの越境大気汚染のニュースが多くなり、福岡市内でもPM2.5の濃度が環境基準を上回ることも多々あります。
 
 PM2.5に限らず大気汚染物質への対策としては、汚染に対する曝露量を減らすことが基本です。マスクや空気清浄機のフィルターに関しては、PM2.5に対応しているものとそうでないものがあるので、注意が必要です。また、対応しているものでも正しく装着しなければ十分に効果を発揮しないので、気をつけましょう。高濃度の汚染が予想される場合は外出そのものを控えることも重要です。
 濃度の高い日は、しっかりとした対策を心がけましょう。
 
※環境基本計画(平成24年4月現在)
 環境保全に関する総合的・長期的な施策の大綱、環境保全に関する施策の総合的・計画的推進に必要な事項となっている。
 1994年に循環、共生、参加、国際的取組を長期目標として掲げた第一次の計画が定められ、その後数次にわたり改定されてきている。
 



   


こらぼ2017年冬号より抜粋