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食中毒防止について
 食中毒の発生ピークは夏の時期と思っている人が多いかもしれませんが、平成22年の発生 件数のピークは10月でした。

 厚生労働省に報告された食中毒事件だけをみても、家庭での食事が原因の食中毒が全体の20%近くを占めています。食中毒には腸管出血性大腸菌やサルモネラ属菌などの細菌性食中毒、食品に洗剤などの物質が混入して発生する化学性食中毒、毒キノコやふぐなどの自然毒食中毒があります。発生が多いのは細菌性食中毒で全体の約90%を占めています。

 ところで、HACCP(危害分析重要管理点)という言葉をご存知ですか?HACCPとはアメリカのNASAで宇宙飛行士が食中毒にならないために食品の安全性を確保する方法で、最終製品の検査によって安全性を保証しようとするのではなく、製造における重要な工程を連続的に管理することによって、ひとつひとつの製品の安全性を保証しようとする衛生管理の手法です。

 家庭では細菌をどのようにして防ぐかの手順を明らかにし、調理時に特に注意を払うことが重要であり、食中毒の予防には「きれい」ではなく「清潔」「衛生的」が大切です。そのために家庭での予防ポイントは、食品の購入や保存、下準備、調理、食事、残った食品の6つあります。購入時に新鮮なものを選び、冷蔵や冷凍食品は適切な温度管理をすること。調理をする場所がきちんと清潔に保たれているか、加熱調理は十分に加熱されているか。( 中心温度が75℃1分間以上の加熱が目安)調理前後の食品は室温で長く放置しないこと。残った食品を食べた時に少しでも怪しいと思ったら食べずに捨てること。

 食中毒予防の三原則は細菌を「付けない、増やさない、やっつける」。これからの季節も食中毒には注意をしてください。


こらぼ2011年秋号より抜粋