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合成着色料について
 食品にはさまざまな色があり、美しく彩られた食品は食欲を増進させる効果があります。

 しかし、長期間自然の発色を維持するのは困難なため、着色料による色つけが古くから行われてきました。

 さて、食品の表示を見ますと「合成着色料不使用」という表示を見かけることがあります。この「合成着色料」とは一体どのような物質なのでしょうか?一部例外もありますが、法律上の分類では、食品衛生法による「指定添加物」の着色料が該当し、天然着色料については「既存添加物」の着色料が該当します。平成7年以前は「合成」「天然」という名称で分けられていましたが、改正によりこの名称はなくなりました。「指定添加物」の中でも「食用タール色素」が合成着色料としての意味合いで、よく取り上げられているようです。

 タール色素はもともと、石炭を蒸し焼きにして得られる副生成物の1つであるコールタールから得られる芳香族化合物を原料として合成されているため、この名前がついています。しかし、現在では芳香族化合物は主に、石油精製の際に得られるナフサを原料とした化成品から生産されており、名前の由来であるコールタールを原料とすることはほとんどなくなっています。

 現在、日本で使用が認可されている食用タール色素は12種類となっています。

 日本では、タール色素に対して発がん性などの安全性に疑問があったため、タール色素以外の色素が諸外国に比べて数多く作られました。

 しかし、天然色素である「アカネ色素」も発がん性ありとして2004年に使用禁止になったことからも判るように、「天然だから安全、合成物は危険」というわけではありません。




こらぼ2010年秋号より抜粋