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ノロウイルスについて
 ノロウイルスは非細菌性急性胃腸炎を引き起こすウイルスで、100個以下の少量でも感染することがあります。ウイルスだけでは増殖せず、人間の生きた細胞の中で増殖します。そのため食品から直接検出されることは難しく、食中毒事例のうち約7割では原因食品が特定できません。主な原因にウイルスに感染した食品取扱者を介して食品が汚染されることがあげられます。その他の原因として、ノロウイルスに汚染された二枚貝もあります。二枚貝がえさと一緒にウイルスを体内に取り入れ濃縮しているからです。

 潜伏期間は通常1〜2日で、主な症状としては吐き気、嘔吐、下痢、発熱などがあります。症状は比較的短期間で治りますが、その後、約1週間は便にウイルスが検出される可能性があります。

 現在、ノロウイルスに有効な抗ウイルス剤は存在しません。そのため手洗いとうがいをして予防することが大切です。また食品取扱い従事者は、トイレ後はもちろん、調理前は普段以上に手や使用する器具類を清潔に保ち、煮沸消毒できるものは可能な限り行うのがよいでしょう。ノロウイルスに感染した場合、医師の診断後、水や湯冷まし、お茶などで十分な水分補給を行って下さい。しかし、これらは体内への吸収が遅く、大量摂取が必要です。かかりつけの医師の指示のもと、経口補水液(ORS)を摂取するとよいでしょう。

※経口補水液(ORS:Oral Rehydration Solution)
水分をすばやく補給できるようにナトリウム(Na)とブドウ糖の濃度を調整した飲料です。
WHO(世界保健機関)は、1970年代にコレラ感染による下痢に伴う脱水状態時に使用を推奨して以来、発展途上国を中心に大きな成果を上げています。
その後、臨床研究に基づき、2002年にNaとブドウ糖の濃度を下げた新しいORSに関するガイドラインが策定されています。

 
 当社ではノロウイルスの検査を実施しています。詳しくはお問い合わせ下さい。
お問合せ先 シー・アール・シー食品環境衛生研究所 TEL 092-623-2211




こらぼ2009年冬号より抜粋