TOP > 気になる「水」「食」「大気」のはなし > BOD(生物化学的酸素要求量)  
BOD(生物化学的酸素要求量)
 河川水の有機物汚染状況を知るための指標のひとつにBODというものがあります。

 水中では好気性微生物が有機物を分解する際に、水中に溶けている酸素を消費します。有機物が多ければ好気性微生物が消費する酸素の量も多くなり、水中での酸素濃度はより低くなります。このような原理を利用して、5日間の酸素濃度の減少量を測定し、それをもとに算出したものがBODです。

 私たちが普段、水道水として使用している水には河川水を浄化したものが多く、その河川水には水源の汚染の程度によってきれいな方からAA、A、B、C、D、E類型の6段階に区分されています。この区分は、先ほど述べたBODを含む数項目の測定結果によって決められます。BODの数値は、工場排水や生活排水などが河川に流れ込むことにより高くなります。従って、工場や人口が集中する都市部の河川では、BODが高くなる傾向にあります。

 国土交通省がまとめた平成17年のBOD平均値による1級河川ランキングでは、上位5河川のほとんどが北海道を流れる河川が占めています。これは自然の豊かさがもたらした結果と言えるでしょう。

 一方で、下位5河川は、関東や関西など都市部を流れる河川が多いようです。 九州では、本庄川(宮崎・大淀川水系)の全国7位をはじめ、五ヶ瀬川(宮崎・五ヶ瀬川水系)の11位など、きれいな川が流れており、特に南部に多く見られるようです。


こらぼ2007年冬号より抜粋