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質問
 B型肝炎ワクチンの追加接種基準は?

回答
 B型肝炎ウイルス(HBV)は感染力が高く、針刺しによる感染の確率は23〜62%であり、肝炎を発症する危険性はHBs抗原、HBe抗原ともに陽性の場合22〜31%、HBe抗原陰性でも1〜6%と報告されています。
 
 また、HBVは室温で表面が乾燥した血液の中で少なくとも1週間は生き続けることができます。このため、針刺しだけではなく、血液や体液に接触する可能性がある医療従事者や学生などは、HBワクチン接種によってHBs抗体を獲得しておく必要があります。
 
 通常、HBワクチンは1コース3回接種を行います。HBワクチンで産生された抗体は時間の経過とともに次第に減弱し、接種後8年以上経過すると約60%の人において検出されなくなります。WHOの勧告では、HBs抗体価が10mIU/mL未満になったとき、追加のワクチン接種をして抗体価を高めることになっています。
 
 そこで、3回接種の1〜2か月後にHBs抗体価が10mIU/mL未満の人は無反応者とされ、最高3回まで再接種を行います。10mIU/mL以上100mIU/mL未満の低反応者にも再接種を1回行い、1〜2か月後に再度抗体価を測定します。抗体価が100mIU/mL以上になれば、極めて良好な免疫記憶が形成されるといわれています。
 
 
図.HBワクチン接種後の抗体価の推移(4人の接種例)
〔参考〕 飯野四郎:日医雑誌 127(3)、2002