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質問
アレルギー検査のプロバビリティーカーブについて教えてください。

 プロバビリティーカーブとは、「特異的IgE抗体価が高いほど、当該アレルギーの症状誘発の可能性が高くなる」ということを、連続した特異的IgE抗体価と症状の誘発率との関係で示したものです。
 
 つまり、プロバビリティーカーブは、IgE抗体の値によって症状を誘発する可能性がどのくらいあるかを示しています。とくに、食物アレルギーの診療現場では、リスクの高い負荷試験を避ける手段として広く活用されています。
 
 例として、牛乳の代表的なプロバビリティーカーブを図に示しました。この図では、牛乳のIgE抗体価が3.0kUA/Lの場合に症状を誘発する可能性は1歳児未満では約90%、1歳児では約50%、2歳児以上では約30%となります。
 
 しかし、プロバビリティーカーブを読む際は、あくまでも確率論であることに注意が必要です。食物アレルギーについてのプロバビリティーカーブは、経口負荷試験の結果をもとに作成されます。この時、どのような患者集団を母集団としたのか、誘発症状の確認の仕方、負荷試験の方法などにより作成されるカーブは異なってきます。
 
 参考にするプロバビリティーカーブが、自分の目的にあっているかどうかを意識する必要があります。
 
図.牛乳のプロバビリティカーブ(イムノキャップ®値と症状誘発の可能性)
〈参考〉
・食物アレルギー診療ガイドライン2016