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質問
心房細動について教えてください。

 心房細動とは、本来一定のリズムで動くべき心房が無秩序に電気活動をしている状態を指す不整脈のことです。
 
 分類として、数秒〜数日(7日)以内で起こっているものを発作性心房細動、7日以上続くものを持続性心房細動、ずっと続いているものを慢性心房細動といいます。心房細動を放置すると、発作性→持続性→慢性と進行していきます。
 
 発症の原因として、ストレスや飲酒、喫煙、過労、脱水、加齢などが引き起こす場合や、心臓弁膜症、心筋症、虚血性心疾患や甲状腺機能亢進症などが関与する場合があります。症状として、動悸や胸部不快感、息切れなどがありますが、全く症状がない無症状の人もいます。さらに、心臓のポンプ機能が低下する場合もあり、心不全症状が現れることもあります。
 
 とくに危険が伴うものに心原性脳梗塞があり、心房細動によって心房の血液の動きに淀みが生じ、結果として心房内に血栓ができ、その血栓が血流に乗って脳の動脈を詰まらせ、脳梗塞を起こす場合があります。この脳梗塞は、比較的太い血管で詰まる場合が多く、梗塞範囲が大きく重篤となる確率が高い脳梗塞です。
 
 そのため、血栓を生じさせない抗凝固療法があり、CHADS2スコアによって抗凝固薬の投与を検討する場合が多くあります。治療としては血栓発生防止の抗凝固療法と並行して、投薬によるリズムコントロールやレートコントロール、その他、カテーテルアブレーションや心房細動手術などがあります。
 
 心房細動は安静時12誘導心電図やホルター心電図、イベント心電図などで見つけることが可能となります。