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質問
胃カメラや鉄剤・バリウム服用で便潜血検査に影響がありますか?

 便潜血反応検査には、化学的方法と免疫学的方法があり、当社は大腸がん検診などでは免疫学的方法にて受託しています。免疫学的便潜血検査は、ヒトのヘモグロビンに特異的に反応します。胃や十二指腸など上部消化管からの出血の場合、ヘモグロビンが胃酸や腸内細菌に影響を受けて変性することで、出血を検出しないことが多いといわれます。よって下部消化管疾患の検出率は高くなり、上部消化管の検出率は低くなります。その点を考慮すると胃カメラにて大量の出血がない限り影響はないと考えられます。
 
 通常服用量の鉄剤、また通常使用量の浣腸液、座薬が検査結果に影響を及ぼすことも事例としてありませんが、肛門部刺激による出血の場合は留意が必要です。
 
 また、バリウム便についてもバリウム自体が抗原抗体反応に影響を及ぼすことはありませんが、高濃度のバリウムが存在する(白濁が強い)場合、検査機器での測定において若干低値化することがありますので、採便する際は可能な限りバリウムを避けて採取してください。
 
図.大腸がんの年齢別罹患率
30年前と比べ、大腸がんに罹患される方は2〜3倍に増えています(青、赤の実線)。
背景に食の欧米化が関与していると言われています。