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質問
心臓不整脈で期外収縮について教えてください。

 心臓は心臓刺激伝導系により、洞結節→心房→房室結節→心室の順に電気的刺激を受け、刺激を受けた順に収縮をしていきます。その刺激伝導(心拍数)の速さは成人で60〜70回/分となります。
 
 期外収縮とは通常の刺激伝導系以外から発生する不整脈で、心房から発生する場合を上室性期外収縮(図1)、心室から発生する場合を心室性期外収縮(図2)、房室結節から発生する場合を房室結節性(Junctional SVPC)と言います。
 
 上室性期外収縮は左右心房のみならず肺静脈や上大静脈などを起源としています。また、心室性期外収縮は左右心室とくに血液が流入および流出する部分、心尖部や心室中隔を起源とすることがあります。
 
 不整脈の症状は脈が飛ぶ感じやドキドキ感、息切れなどがありますが、自覚症状がない場合もあります。
 
 心電図上での区別として、上室性期外収縮の場合、QRS波の前に必ず早期に出現するP波が見られます。心室性期外収縮の場合、P波は通常の位置に出現しますが、QRS波は単独で出現します。代償性(通常QRSの代わりに出現)と間入性(通常QRSと通常QRSの間に出現)があります。
 
 通常は治療を必要としないことが多いのですが、期外収縮の頻度が多い場合や自覚症状が強い場合、長い連発などの重症度の高い場合などは治療の対象となります。治療には薬物治療(β遮断薬や抗不整脈薬など)、非薬物治療(カテーテルアブレーションなど)があります。
 
 ホルター心電図は24時間単位で心電図を記録する検査で、期外収縮の発生頻度や重症度などの評価ができます。