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質問
 Clostridium difficile迅速診断キットの結果解釈について教えてください。

 Clostridium difficile Infection(以下CDI)診断の検査法として、イムノクロマト法による便中CD抗原(以下GDH)、CDトキシンの迅速診断キットが汎用されています。
 
 イムノクロマト法は迅速的で簡便ですが、CDトキシンの感度が低いことが知られています。その一方で、GDHの感度はある程度高いため、GDH陽性・CDトキシン陽性はCDIと診断できます。GDH陰性・CDトキシン陰性の場合、CDIは否定的となります。問題はGDH陽性・CDトキシン陰性の場合ですが、CDトキシンの感度が低いため、CDIを否定することができません。
 
 このような場合、培養で検出されたClostridium difficileの菌株からイムノクロマト法を行う方法(Toxigenic culture:以下TG)、または遺伝子検査(Nucleic acid amplification test:以下NAAT)を行うことによって鑑別することができます。しかし、TG法は培養を行うため、結果が出るまでに2〜3日を要します。NAAT法は検査コストが高く特殊な機器も必要ですが、迅速的で精度も高く、各学会のCDI検査のガイドラインにも取り入れられており、今後普及していくことが期待されています。

※現在、Clostridium difficileは菌名がClostridioides difficileに変更されています。
 
 
 
図.通常診療におけるClostridium difficile検査の考え方
 
参考
・日本臨床微生物学会 Clostridium difficile 毒素遺伝子検査を踏まえた検査アルゴリズム
・日本化学療法学会、日本感染症学会 ClostridioidesClostridiumdifficile感染症診療ガイドライン