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尿定性検査で偽陰性、偽陽性となる要因−主に薬剤による影響を教えてください。

 

 尿定性検査は、尿に試験紙を浸して試験紙パット(濾紙)の色調の変化を色調表と比較して判定する検査法です。尿にはいろいろな成分が含まれ、飲用成分や投与薬剤などの成分が偽陽性や偽陰性の原因となることが知られています。
 
 尿は原則として新鮮尿を用いて検査します。尿は放置により、主として細菌増殖によるアルカリ性化が進み、多くの測定結果に影響を及ぼします。特に、ウロビリノーゲンやビリルビンは光や熱に不安定なため採尿後1時間以内のものを使用します。
 
 また、温度によって反応に影響する場合があるため、冷凍・冷蔵保存した場合は必ず20〜25℃に戻してから使用します。
 
 強度の着色尿や薬剤尿では、試験紙が異常呈色して判定に影響を及ぼすことがあるので注意します。
 
表.尿定性検査に影響を与える薬剤・他
検査項目 偽陰性 偽陽性 その他
蛋白定性 pH3以下
塩酸
pH8以上、PVP輸液
防腐剤・洗浄剤
 
糖定性 アスコルビン酸(ビタミンC)
Lドーパ
多量の酸化剤
ステロイド剤大量投与
尿放置↓
尿温度の低下↓
潜血反応 アスコルビン酸(ビタミンC) 免疫調節薬、ワルファリン 筋肉の挫傷↑
激しい運動↑
ウロビリノーゲン ホルマリン混入
抗菌薬、リポフラビン
アゾ色素系薬物
サルファ剤、PSA、Lドーパ
スルホニルウレア、フェノチアジン
サリチルアミド、プロカイン、アンチピリン
センナ、ダイオウ↑
尿放置↓
光↓
尿比重 利尿剤、リチウム 造影剤、マンニトール製剤、グリセリン  
pH 塩化アンモニウム、塩化Ca 重曹、クエン酸、制酸剤 尿放置↑
ビリルビン定性 ホルマリン混入
アスコルビン酸(ビタミンC)
ウロビリノーゲン、5-HIAA、エトドラク製剤
スルピリン、メフェナム酸、レボメプロマジン
大量のクロルプロマジン、ミゾリビン
尿放置↓
光↓
ケトン体定性   グルタチオン製剤、ブシラミン
Lドーパ、セフェム系薬剤
尿放置↓

参考
・ウロペーパーIII’栄研’添付文書、栄研化学
・臨床検査値ハンドブック第3版、じほう、2017
・臨床検査データブック2017-2018、医学書院