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免疫グロブリン(IgG、IgA、IgM)はどんなときに検査しますか?

 

   免疫グロブリン(immunoglobulin:Ig)は脊椎動物の血液や体液中にあって抗体としての機能と構造をもつタンパク質の総称で、細菌やウイルスなどの特定の抗原を特異的に認識・結合し、その破壊を助けるといった免疫応答における重要な役割を果たしています。
 
 血清中γグロブリンのほとんどがこれで、2本のH鎖(重鎖)と2本のL鎖(軽鎖)からなる共通の基本構造をもちます。重鎖の種類からIgG、IgA、IgM、IgD、IgEの5クラスに分類されます。さらに、IgGおよびIgAは重鎖配列の違いによりサブクラス(IgG14、IgA12)に分類されます。
 
 免疫グロブリンの異常低値には、幼少時より易感染を繰り返す先天的な免疫グロブリン産生不全と他疾患に続発するものがあります。薬剤や放射線照射は後天的に免疫グロブリン産生を障害します。ネフローゼや蛋白漏出性胃腸症では体外への喪失が起こります。また、多発性骨髄腫ではM蛋白以外の免疫グロブリンは産生が抑制されて低値を示します。
 
 異常高値を示す免疫グロブリンには単クローン性のものと多クローン性のものがあります。前者はその多くが免疫グロブリン産生細胞の腫瘍性増殖(多発性骨髄腫など)で、後者は慢性的な抗原刺激の持続(感染症)、免疫システムの異常活性化ないし抑制不全(自己免疫性疾患)、低アルブミン血症に対する代償作用(慢性肝疾患)などがあります。
 
 診察や血清総蛋白、アルブミン、A/G比、赤沈、尿蛋白などから免疫グロブリン異常が疑われた場合に血清IgG、IgA、IgMを測定します。
 
 例えば、高齢者が原因不明の貧血、骨痛、蛋白尿、腎不全などを呈した場合、多発性骨髄腫を疑い、血清蛋白分画検査を行います。単クローン性免疫グロブリンの存在を疑わせるM蛋白が認められたときは、血清免疫固定電気泳動法(M蛋白同定)と同時に血清IgG、IgA、IgMを測定します。
 
⇒「多発性骨髄腫の検査〜免疫電気泳動によるM蛋白同定について教えてください。」参照
 
 慢性肝炎や肝硬変、慢性感染症、膠原病などで血清総蛋白が増加した場合、血清IgG、IgA、IgMを測定し、多クローン性増加を確認します。繰り返す感染症などの免疫不全症を疑う場合、抗体産生の欠損〜低下を調べるため免疫グロブリンを測定します。
 
 測定値は食事や運動の影響はほとんど受けず、採血から血清分離まで室温で24時間ほとんど変動はみられませんが、クリオグロブリン血症の患者では測定値に見かけ上の低下をきたすことがあります。またIgGにおいて喫煙者は非喫煙者より低値傾向が確認されています。
 
 
参考
・臨床検査ガイド 2015年改訂版、文光堂
・臨床検査データブック2017-2018、医学書院