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抗SS-A抗体と抗SS-B抗体の違いと使い分けを教えてください。

 

 抗SS-A(/Ro)抗体、抗SS-B(/La)抗体のSSはシェーグレン症候群(Sjögren’s syndrome)の略字で、両抗体ともにシェーグレン症候群が疑われたときに検査します。

 シェーグレン症候群とは慢性唾液腺炎と乾燥性角結膜炎を主徴とし、多彩な自己抗体の出現や高γ-グロブリン血症をきたす自己免疫疾患の1つです。

 シェーグレン症候群は単独で発症する一次性シェーグレン症候群と関節リウマチ(RA)や全身性エリテマトーデス(SLE)等の膠原病に伴う二次性シェーグレン症候群とに分類されます。さらに、一次性は病変が涙腺、唾液腺に限局する腺型と病変が全身の臓器におよぶ腺外型とに分けられます。二次性ではRAの30%以上に合併することが知られています。

 抗SS-A抗体は一次性シェーグレン症候群の約80%に検出され、感度が高い検査ですが、疾患特異性はなく、RAやSLE、強皮症、混合性結合組織病など他の膠原病でも陽性となります。抗核抗体では対応抗原が主に細胞質に存在することから、抗核抗体陰性でも抗SS-A抗体陽性となることがあります。

 一方、抗SS-B抗体は一次性シェーグレン症候群の約35%に検出され、特異性が高く、抗核抗体ではSpeckled型陽性を示します。抗SS-B抗体陽性例の多くは乾燥症状を伴い、皮疹や高γ-グロブリン血症、リウマトイド因子陽性が高率に認められ、抗SS-A抗体が併存します。

 抗SS-A抗体、抗SS-B抗体はともにシェーグレン症候群の診断基準(1999年に制定された旧厚生省の改訂診断基準)に採用されている検査であり、抗SS-A抗体陽性and/or抗SS-B抗体陽性の感度は83.7%、特異度は91.5%と報告されていることから、最も特異的な自己抗体です。

 ただし、抗SS-A抗体陽性例の場合には、他の膠原病の可能性も考慮し、幅広い鑑別診断が必要です。また、シェーグレン症候群の診断が確定した場合にも、他の膠原病を合併する二次性の可能性を考慮し、他の膠原病のスクリーニング検査を行います。

【参考】
・難病情報センター「シェーグレン症候群」
・臨床検査ガイド2015改訂版、文光堂