CRCグループTOP > シー・アール・シー > よくある検査のご質問 >
横紋筋融解症の検査は何をしますか?

 横紋筋融解症とは、骨格筋の細胞が融解・壊死することにより、筋肉の痛みや脱力などを生じる病態をいいます。その際、血液中に流出した大量の筋肉成分(ミオグロビン)により、腎臓の尿細管に負荷がかかる結果、急性腎不全を引き起こすことがあります。また、まれに呼吸筋が障害され、呼吸困難になる場合もあります。

 傷害された筋細胞からは細胞内成分のミオグロビンやCK(CPK)等の酵素が逸脱して血中に放出され、上昇します。

 横紋筋融解症は医薬品によって引き起こされる場合があり、主に脂質異常症(高脂血症)治療薬のフィブラート系あるいはHMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン系)による症例が代表的です。その他、抗生物質(ニューキノロン系)、抗うつ薬、痛風・高尿酸血症治療薬等でも知られています。好発時期は医薬品の種類にもよりますが、抗生物質等では投与初期に、スタチン系薬剤では数週〜数ヵ月以降に発症することが多いと報告されています。数年投与していても併用薬を変更した場合に発症する場合があります。よって、定期的にミオグロビン、CK、AST、ALT、LDHやカルシウム(Ca)、カリウム(K)、無機リン(IP)等の電解質及び腎機能検査を測定することが重要です。

 血中ミオグロビン濃度が上昇すれば、尿中でも上昇しますが、腎障害により尿中に十分排出されなくなっていることもあり、血清ミオグロビン検査をお勧めします。ただし、健常者でも激しい運動後には高値を示すため採血は安静時に行います。

 ※当社では、迅速対象項目です。
 
表.横紋筋融解症を誘発する因子および原因となる主な薬剤
誘発因子 加齢(80歳以上)、腎機能障害、発熱、激しい運動、高血圧、低K血症、感染症、慢性的なアルコール摂取、糖尿病、脱水状態、肝疾患、胆道閉塞性疾患、甲状腺機能低下症、術後、薬剤など
薬剤 高脂血症治療薬 スタチン系:アトルバスタチン、シンバスタチン、他
フィブラート系:クリノフィブラート、フェノフィブラート、他
抗生物質製剤 ニューキノロン系:オフロキサシン、ロメオフロキサシン、他
マクロライド系:クラリスロマイシン
β-ラクタム系:ピペラシリン
抗てんかん剤 ゾニサミド、バルプロ酸ナトリウム
精神神経用剤 ハロペリドール、炭酸リチウム、クロミプラミン、マプロチリン、他
解熱鎮痛消炎剤 ジクロフェナク
免疫抑制剤 シクロスポリン
痛風・高尿酸血症治療剤 コルヒチン、アロプリノール
上記以外に、糖尿病治療薬、抗ウイルス剤、血圧降下剤、鎮咳剤、消化性潰瘍治療薬など

【参考】
・「臨床医マニュアル」 医歯薬出版、2008
・重篤副作用疾患別対応マニュアル「横紋筋融解症」、厚労省、2006