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可溶性インターロイキン2レセプターが高値となる疾患には何がありますか?

 インターロイキン(IL)は、リンパ球や単球、マクロファージなどの免疫反応への寄与が知られる白血球から産生され、現在までに30種類以上が同定され、発見された順番に番号が付与されています。インターロイキン2(IL-2)は細胞表面に存在するIL-2レセプター(IL-2R)と結合し、細胞内へシグナルが伝達されることで、T細胞やB細胞、NK細胞、単球、マクロファージなどを分化・増殖させる働きを持っています。IL-2Rはα鎖、β鎖、γ鎖から構成され、α鎖は活性化したリンパ球で産生され、細胞表面から遊離するため、血清中に可溶性IL-2R(sIL-2R)として測定することができます。

 sIL-2Rは悪性リンパ腫で高値を示すことから、主に悪性リンパ腫の診断の補助および治療効果判定に用いられます。(※保険適応は2疾患
悪性リンパ腫の化学療法後において経時的な変化は再発や再燃を判断する指標とすることができます。

 しかし、必ずしも疾患特異性が高い訳ではなく、免疫系が活性化するような病態、血管炎、成人スチル病をはじめとする自己免疫性疾患や肝炎、間質性肺炎、ウイルス感染症でも上昇することが知られています。
特に、血球貪食症候群で高値を示し、血球減少の鑑別の際に血球貪食症候群を診断するための指標となります。

 また、sIL-2Rは腎から排泄されるため,腎機能低下に伴って高値となります。
一方、リンパ腫であっても増殖の遅い症例や限局期の症例では、基準範囲内の値にとどまることがあることから、リンパ節腫脹を呈する症例ではsIL-2Rの値にとらわれず、症状・身体所見・他の検査所見や経時的変化から総合的に判断されます。
 
可溶性インターロイキン2レセプターは、非ホジキンリンパ腫、ATLの診断の目的で測定した場合に算定できる。また、非ホジキンリンパ腫またはATLであることが既に確定診断された患者に対して、経過観察のために測定した場合は、特定疾患治療管理料の悪性腫瘍特異物質治療管理料により算定する。

表.異常値を呈する疾患・病態
sIL-2R値(U/mL) 疾患・病態
121〜613(基準範囲)  
614〜2,000 悪性リンパ腫、ATL、血球貪食症候群、間質性肺炎
関節リウマチなどの膠原病、成人スチル病、血管炎
肝炎・伝染性単核球症などのウイルス感染症
結核、サルコイドーシス、リンパ性白血病、腎不全
肺癌などの悪性腫瘍、移植後など
2,000以上 悪性リンパ腫、ATL

【参考】
・臨床検査ガイド2015年改訂版、文光堂