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質問 ヘパプラスチンテストに替わる検査項目は何ですか。 |
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回答 ヘパプラスチンテスト(HPT)とトロンボテスト(TT)はともに外因系凝固能を反映するプロトロンビン時間(PT)の試薬を工夫したもので、肝で生成されるビタミンK依存性凝固因子活性(第II、VII、X因子)を反映する凝固時間検査です。 ビタミンK不足により生成される凝固活性を有しないPIVKA-II、VII、Xは、活性のある対応因子を阻害して凝固能を低下させますが、TTはPIVKAの影響を受けやすいことから、ビタミンK拮抗阻害薬であるワーファリンの抗凝固効果をモニターするために用いられてきました。しかし、測定感度が活性5%までであり、ワーファリン過剰状態を把握できない危険があることから、現在ではPT-INRがワーファリン治療のモニタリングとして推奨され、PT-INRによる治療域の基準化が進められていることから主流となっています。 一方、HPTは組織因子としてウサギ脳トロンボプラスチンを用い、PIVKAによる阻害を受けにくく、第II、VII、X因子の産生能を反映するとされ、肝の蛋白合成能を評価する指標として用いられてきました。肝硬変では60%以下と低下しますが、肝硬変の重症度分類(Child-Pugh分類)など臨床上肝障害の評価にはPT(活性%)が用いられています。 参照「肝機能検査と肝予備能検査の違いは何ですか?」 よって、HPTに替わって現在ではほぼ同じ内容のPTが世界的な標準検査となっており、国内でも劇症肝炎の診断基準や自己免疫性肝炎の治療の判定基準にはPTが使用されています。PTは重症度の判定だけでなく、進行度の判定にも有用です。
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