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APTTが延長する要因と検査の進め方を教えてください。

APTT(活性化部分トロンボプラスチン時間)は内因系凝固機能の検査で、PT(プロトロンビン時間)との組合せにより止血機能のスクリーニング検査として術前管理や出血の原因検索などに重要です。

また、未分画ヘパリン(抗凝固療法)のモニタリングや凝固因子インヒビター、ループスアンチコアグラント(LA)等の循環抗凝血素の検出など様々な目的で実施されています。しかし、PT-INRとは異なり、標準化された測定ではなく、試薬メーカーやロット、測定機器により測定秒数が変動します。さらに、凝固因子に対する反応性やヘパリン、LA感受性は試薬ごとに異なり、同一検体であっても測定結果が大きく乖離することがあります。

APTT等の凝固検査は採血手技が大きく影響するため、採血から検査にいたるまで手技的な誤りがないかどうかを確認し、問題があれば再採血を行い検査します。

(1) 規定量の血液が採血できない場合や多血症(ヘマトクリット値が高い場合)では、被検血漿に対する抗凝固剤の割合が相対的に高くなるため、APTTが延長します。
(2) 採血後、時間経過とともに凝固因子活性が低下してAPTTは延長します。
(3) ヘパリン投与例やヘパリンロックされた点滴ラインからの採血によるヘパリンの混入、採血分注時に抗凝固剤が混入した場合、透析後の採血の場合でAPTTが延長します。ダビガトランなどの新規経口凝固剤投与ではAPTT、PTがともに延長します。

検体採取に問題がなく、抗凝固薬の影響も否定された場合、PT延長が伴っているかどうか確認します。APTTのみ延長を認めた場合、内因系凝固因子欠損(量・質の異常)なのか、血液凝固反応を阻害する物質(循環抗凝血素)の存在なのかを鑑別します。

表.APTTが延長する要因

採血手技 ・クエン酸Na溶液と全血との割合が1:9規定量に比べ血液量不足
・他の採血管内容物の混入(EDTA、ヘパリンNa、フッ化Na等)
・多血症(血漿あたりのクエン酸Na量が過量となるため)
・ライン採血によるヘパリンの混入、透析後採血
・採血困難(長時間採血による組織液の混入)や凝固検体
薬剤の影響 ・抗凝固薬(ヘパリン、ワーファリン、抗トロンビン薬、抗Xa薬など)の使用
病的要因 1.APTTのみ延長
 血友病、von Willebrand病、後天性血友病
 ループスアンチコアグラント(LA)抗リン脂質症候群
2.PT、APTT延長
 DIC、肝機能障害、ビタミンK欠乏症、大量出血、異常蛋白血症など

【参考】
・循環器疾患における抗凝固・抗血小板療法に関するガイドライン(2009年改訂)
・臨床検査ガイド2015年改訂版