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質問 ツツガムシ抗体検査はどれをすればいいですか? |
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回答 ツツガムシ病の病原体はOrientia tsutsugamusi というリケッチアで、それを媒介するダニの一種であるツツガムシの幼虫に刺(吸着)されることで感染します。わが国ではアカツツガムシ、タテツツガムシ、フトゲツツガムシの3種類が知られていて、北海道、沖縄など一部の地域を除いて全国で発生が見られます。 発生時期はダニの幼虫の活動時期と密接に関係し、タテツツガムシとフトゲツツガムシは秋〜初冬に孵化するため、関東〜九州地方を中心に多く発生がみられます。また、フトゲツツガムシは東北・北陸地方では春〜初夏にも発生がみられます。夏期に発生がみられたアカツツガムシは現在消滅したと考えられ、全国的には年間に春〜初夏(5月にピーク)および秋〜初冬(11月にピーク)の2つの発生ピークがみられます。 リケッチアの培養は特殊な条件が必要となるため、一般的には行われていません。そこでツツガムシ病の確定診断は抗体検査によってなされます。通常の抗体検査は国際標準3株といわれるギリアムGilliam株、カトーKato株、カープKarp株を用いたIgG抗体検査とIgM抗体検査がそれぞれあります。カトー株はアカツツガムシ、ギリアム株とカープ株はフトゲツツガムシが媒介するリケッチアの血清型です。タテツツガムシの血清型としてクロキKuroki株、カワサキKawasaki株がありますが、衛生研究所等の研究機関でのみ行われています。カワサキ株はギリアム株に多少交差反応があることが知られているため、ギリアム株とカープ株をお勧めしています。 発熱(発病)後、IgMは3〜4日、IgGは7〜8日で出現するため、この時期に検査を実施します。IgMは数ヵ月〜1年、IgGは10年程度存在するといわれています。IgM上昇またはペア血清で急性期と回復期でIgGが4倍以上の上昇を認めれば感染と判断できます。その他の検査所見ではCRP上昇、AST、ALT、LDH等の上昇が認められ、通常の細菌検査と比較して白血球の上昇が少ないと報告されています。
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