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質問 肺癌の腫瘍マーカーはどれがいいですか?使い分けを教えて下さい。 |
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回答 肺癌に限らず、腫瘍マーカーはスクリーニングには不向きであり、診断の補助、治療効果判定の指標、再発のモニタリングに有用です。 肺癌の種類(組織型)は主に腺癌、扁平上皮癌、大細胞癌、小細胞癌があります。肺癌の腫瘍マーカーとして臨床的によく用いられるのは、組織型にかかわらずCEA、腺癌に特異性が高いSLX抗原、扁平上皮癌に特異性が高いシフラやSCC抗原、小細胞癌に特異性が高いProGRPやNSEがあります。その他骨転移マーカーとしてICTPが用いられています。この中で最も有用性が高く、望ましい組合せはCEA、シフラ、ProGRPの3項目です。 CEAは肺癌全体での陽性率は約50%、中でも肺腺癌での陽性率は約60%と高く、経過観察中にCEAが上昇した場合、転移の可能性が高いので注意します。また、悪性胸水かどうかの診断では、胸水中のCEA値が20ng/mL以上あれば90%以上の感度・特異度で肺腺癌による胸水と診断できます。 シフラは扁平上皮癌で多く産生されるサイトケラチンの亜分画の1つ、サイトケラチン19フラグメントの略で、肺癌全体での陽性率は50〜60%、肺扁平上皮癌では60〜80%で、CEAやSCC抗原よりも感度・特異度が高く、相関性は認められていません。シフラは喫煙や採血手技による影響を受けないため偽陽性率は低いですが、良性呼吸器疾患や加齢によって上昇する場合があるため、注意が必要です。 ProGRPは肺小細胞癌の増殖因子であるガストリン放出ペプチド(GRP)の前駆体で非小細胞癌での陽性率は10%以下ですが、肺小細胞癌での陽性率は65〜75%と高く、治療効果を鋭敏に反映します。再発の場合は上昇率94%とNSEの37%に比べて優れています。 加齢や喫煙の影響は受けませんが、腎機能低下によって上昇します。 肺癌は組織型が多様であるため、その腫瘍マーカーには組織特異性の高い項目を組合せて測定します。
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