13-04
一般細菌薬剤感受性検査MICセット「耐性菌情報コメント」に関するお知らせ


 さて、弊社では、一般細菌薬剤感受性検査MICセット(微量液体希釈法)につきまして、耐性菌を検出した場合、「耐性菌情報コメント」を検査報告書に表示しています。
 このたび、「メタロβラクタマーゼ産生菌」を追加しましたので、ご案内申し上げます。



■検査項目
  一般細菌薬剤感受性検査MICセット
■変更期日
  平成25年1月21日実施分より
■メタロβラクタマーゼ産生菌情報コメント

耐性菌名 耐性菌情報コメント
メタロβラクタマーゼ産生菌 緑膿菌 メタロβ-ラクタマーゼ産生緑膿菌を認めます
セラチア メタロβ-ラクタマーゼ産生セラチアを認めます
アシネトバクター・バウマニー メタロβ-ラクタマーゼ産生アシネトバクターを認めます
大腸菌 メタロβ-ラクタマーゼ産生大腸菌を認めます
肺炎桿菌 メタロβ-ラクタマーゼ産生肺炎桿菌を認めます
クレブシエラ・オキシトカ メタロβ-ラクタマーゼ産生クレブシエラを認めます
プロテウス メタロβ-ラクタマーゼ産生プロテウスを認めます


■検査要項
検査項目 一般細菌薬剤感受性検査
検査材料 各種臨床材料(血液は、血液培養ボトル)
保存方法 冷蔵(血液培養ボトルは常温)
検査方法 微量液体希釈法
基準値 S・I・RおよびブレイクポイントMIC値(Bp-MIC値)を同時表示
実施料 1菌種170点      2菌種220点      3菌種280点
判断料 微生物学的検査判断料 150点
備考
ご依頼の際は、一般細菌MICセットにチェックしてください。
ご希望の薬剤を検査することが可能です。その際は登録が必要になりますので、薬剤一覧表(下記)をご参照ください。
病院セットにつきましても、耐性菌コメント情報を表示いたします。
インフルエンザ菌及びブランハメラにつきましては、エリスロマイシン(EM)が測定できませんので、同系統のクラリスロマイシン(CAM)、アジスロマイシン(AZM)をご依頼ください。
※検査結果は、CLSI(Clinical and Laboratory Standard Institute)の基準に基づいて報告致します。

■耐性菌情報コメント一覧

耐性菌名 耐性菌情報コメント
ペニシリン耐性肺炎球菌 ※
(髄膜炎以外の基準)
PISP(ペニシリン中等度耐性肺炎球菌:PCG 4)を認めます
PRSP(ペニシリン高度耐性肺炎球菌:PCG ≧8)を認めます
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌 MRSAを認めます(MPIPC≧4)
VCM耐性黄色ブドウ球菌 バンコマイシンに対し、中等度耐性を示すMRSAを認めます
バンコマイシンに対し、高度耐性を示すMRSAを認めます
VCM耐性腸球菌 バンコマイシンに対し、中等度耐性を示す腸球菌を認めます
バンコマイシンに対し、高度耐性を示す腸球菌を認めます
多剤耐性緑膿菌 多剤耐性緑膿菌を認めます(IPM≧16、AMK≧32、CPFX≧4)
カルバペネム耐性緑膿菌 カルバペネム耐性緑膿菌を認めます(IPM≧16)
多剤耐性アシネトバクター 多剤耐性アシネトバクターを認めます(IPM≧16、AMK≧32、CPFX≧4)
カルバペネム耐性セラチア カルバペネム耐性セラチアを認めます(IPM≧16)
多剤耐性腸内細菌 多剤耐性腸内細菌を認めます
第三世代セファロスポリン耐性 大腸菌 第三世代セファロスポリンCAZ耐性大腸菌を認めます
肺炎桿菌 第三世代セファロスポリンCAZ耐性肺炎桿菌を認めます
ESBL産生菌 大腸菌 ESBL(基質拡張型β−ラクタマーゼ)産生大腸菌を認めます
肺炎桿菌 ESBL(基質拡張型β−ラクタマーゼ)産生肺炎桿菌を認めます
クレブシエラ・オキシトカ ESBL(基質拡張型β−ラクタマーゼ)産生クレブシェラを認めます
プロテウス ESBL(基質拡張型β−ラクタマーゼ)産生プロテウスを認めます
メタロβラクタマーゼ産生菌 緑膿菌 メタロβ-ラクタマーゼ産生緑膿菌を認めます
セラチア メタロβ-ラクタマーゼ産生セラチアを認めます
アシネトバクター・バウマニー メタロβ-ラクタマーゼ産生アシネトバクターを認めます
大腸菌 メタロβ-ラクタマーゼ産生大腸菌を認めます
肺炎桿菌 メタロβ-ラクタマーゼ産生肺炎桿菌を認めます
クレブシエラ・オキシトカ メタロβ-ラクタマーゼ産生クレブシエラを認めます
プロテウス メタロβ-ラクタマーゼ産生プロテウスを認めます
※CLSI M100-S19 の基準を採用しています。

1.MDRP(多剤耐性緑膿菌)
緑膿菌は本来多種の抗菌薬に対して耐性を示すが、MDRPはニューキノロン系薬「シプロフロキサシン(CPFX)など」、カルバペネム系薬「イミペネム(IPM)やメロペネム(MEPM)」、抗緑膿菌用のアミノグルコシド系薬「アミカシン(AMK)など」の3系統薬剤にも耐性を示す。

2.ESBL(Extended spectrum β-lactamase)産生菌
大腸菌やKlebsiella pneumoniaeのペニシリナーゼ遺伝子が変異して、本来分解しないはずのセファロスポリン系抗菌薬を分解するようになったβ-ラクタマーゼの総称をいう。

3.多剤耐性腸内細菌(大腸菌、肺炎桿菌、セラチア、エンテロバクター等)
カルバペネム系、フルオロキノロン系、アミノ配糖体系の3系統すべての抗菌薬(各1剤以上)に「R」と判定されたものを、多剤耐性腸内細菌としてコメント表示する。

4.メタロβラクタマーゼ産生菌
第3世代セフェム系やカルバペネム系抗菌薬に耐性を示しβ-ラクタマーゼ阻害剤も全く効果を示さないので、最も危険なβ-ラクタマーゼと考えられている。緑膿菌、セラチア、肺炎桿菌、大腸菌などから検出される。


■薬剤一覧表

系統 略語 腸内細菌・
緑膿菌
インフル
エンザ菌
レンサ球菌・
肺炎球菌
ブドウ球菌・
腸球菌
ペニシリン系 PCG    
MPIPC      
ABPC
AMPC
ASPC
PIPC
β‐ラクタマーゼ阻害薬配合剤 S/A
SBTPC
ACV
TAZ/PIPC
S/C
第一世代セフェム系(経口) CCL
CEX
第二世代セフェム系(経口・注射) CTM
CXM
第三世代セフェム系(経口剤) CPDX
CFDN
CDTR
CFPN
CFTM
CFIX
CETB
第一世代セフェム系 CEZ
CET
CXD
セファマイシン系 CMZ
CMNX
CFX      
第三世代セフェム系 CTX
CTRX
CAZ
CFPM
CDZM
CMX
CPZ
CZX
第四世代セフェム系 CPR
CZOP
モノバクタム系 AZT    
CRMN    
オキサセフェム系 FMOX
LMOX
カルバペネム系 IPM
MEPM
BIPM
DRPM
PAPM
経口カルバペネム系 TBPM
ペネム系 FRPM
マクロライド系 EM    
CAM  
RKM    
AZM  
RXM    
JM    
テトラサイクリン系 MINO
DOXY
TC
アミノグリコシッド系 GM    
AMK    
ABK    
DKB    
TOB    
ISP    
KM    
リンコシン系 CLDM    
LCM    
キノロン系 NA      
PPA      
ニューキノロン系 LVFX
PZFX
NFLX
TFLX
CPFX
ENX
FLRX
GFLX
GRNX
LFLX
MFLX
OFLX
PUFX
STFX
SPFX
ホスホマイシン FOM
ポリペプチド゚系 VCM    
TEIC    
その他 CP
ST
LZD    
    76 69 77 86
◎:MICセット(センターセット)薬剤